第14回辻静雄食文化賞選考委員会(敬称略)
- 委員長
- 鹿島茂(フランス文学者、明治大学名誉教授)
- 委 員
- 石毛直道(国立民族学博物館名誉教授、文化人類学者)
- 福岡伸一(青山学院大学教授、分子生物学者)
- 湯山玲子(著述家、プロデューサー)
- 辻芳樹(学校法人辻料理学館理事長、辻調理師専門学校校長)
- 八木尚子(辻静雄料理教育研究所副所長)
第14回辻静雄食文化賞 小委員会(敬称略)
- 委 員
- 門上武司(「あまから手帖」編集顧問)
- 君島佐和子(フードジャーナリスト)
- 柴田泉(フードジャーナリスト)
- 戸田顕司(日経ナショナル ジオグラフィック 社長補佐)
- 長沢美津子(朝日新聞編集委員)
- 林由香(株式会社KADOKAWA 海外事業局 海外事業統括部 編集)
- 山田健(サントリーホールディングス株式会社 サスティナビリティ経営推進本部チーフスペシャリスト)
- 淀野晃一(柴田書店編集委員)
- 山内秀文(元辻静雄料理教育研究所研究顧問)
- 八木尚子(辻静雄料理教育研究所副所長)
対象期間
2022年1月~12月 ※人物や団体に関しては、直近5年間
第14回辻静雄食文化賞選考委員会
2023年4月21日(金) 「シエルトパートナー(東京・六本木)」にて選考委員会を行いました。
第14回辻静雄食文化賞・受賞作品
『古くて新しい 日本の伝統食品』陸田幸枝/著 大橋弘/写真、柴田書店/刊
作品紹介
日本の風土の中で育まれてきた伝統的食品をたずねて各地を旅し、丹念な取材を行って、その歴史や成立ち、製法を、製造工程を含む多数の写真とともに紹介している。取り上げた食品は、漬物、乾物、大豆加工品、すし、塩蔵品、練り製品、調味料など100種ほどにのぼり、あく抜き、乾燥、発酵、燻煙など、季節ごとに手に入る野菜、穀類、果物や魚介を、保存可能で美味しい食品へと変化させるための多様な知恵と技が一冊に集約されている。
著者紹介
陸田幸枝(むつだ ゆきえ)
1948年、愛知県生まれ。食文化ジャーナリスト。各地に根づいた食文化と手仕事をたずね、伝統の技術を受け継ぐ人たちに取材する。雑誌「サライ」、「月刊 専門料理」、「東京新聞」などに連載、執筆。著書に『極上食材図鑑 第1集・第2集』『日本の正しい調味料』『長寿の国 日本の伝統食』『日本の手仕事』(以上小学館)、『伝統食礼讃』(アスペクト)などがある。
大橋弘(おおはし ひろし)
1946年、東京都生まれ。写真家。東京総合写真専門学校卒業。主な著作物に、写真集『MOSS COSMOS 苔の宇宙』(ダイヤモンド社)、『極上食材図鑑 第1集・第2集』『日本の正しい調味料』『長寿の国 日本の伝統食』『日本の手仕事』(以上小学館)、『1972 青春軍艦島』(新宿書房)、『日本鍛冶紀行』(ワールドフォトプレス)など。
第14回辻静雄食文化賞 専門技術者賞・受賞者
谷口英司(たにぐち えいじ)
Cuisine régionale L’évo(キュイジーヌ・レジョナル・レヴォ)オーナーシェフ
プロフィール
1976年、大阪府生まれ。料理人一家に育ち、幼い頃から料理人を目指す。高校卒業後に就職したホテルでフレンチと出会い、国内外の様々なレストランで経験を積み重ねる。2010年に富山に移り、2014年に「レヴォ」を立ち上げる。2020年、富山県南砺市利賀村にてオーベルジュとして移転オープン。『ミシュランガイド北陸 2021』では2つ星として掲載、『ゴ・エ・ミヨ2022』では2017年に続き2度目の「今年のシェフ賞」を受賞。
- 受賞理由
- ガストロノミーレストランが都会から地方、さらに僻地へと移動する傾向が世界的に認められる。谷口シェフは、高度な技術を持つ料理人が自然の中に分け入り、その環境を学ぶことによって、料理の表現が大きく開花することを見事に示して見せた。山深い富山県利賀村に開かれた「レヴォ」は、土地と高い技術力を掛け合わせることで、その場所に新たな価値を生み出すガストロノミーレストランの先駆的事例といえる。
第14回辻静雄食文化賞贈賞式
第14回辻静雄食文化賞贈賞式が東京都小金井市「辻調理師専門学校 東京」で、2023年8月21日に行われました。受賞作『古くて新しい 日本の伝統食品』著者の陸田幸枝氏、写真家の大橋弘氏、専門技術者賞に「キュイジーヌ・レジョナル・レヴォ」のオーナーシェフ、谷口英司氏が式に臨まれました。
これまでに辻静雄食文化賞を受賞された井信行氏、専門技術者賞の谷昇氏、杉野英実氏、小林寛司氏もご列席され、お祝いの言葉を述べられました。また『古くて新しい 日本の伝統料理』で使用された写真のパネルも展示されました。
*本書の元になった「月刊 専門料理」の連載は、1990年代から雑誌「サライ」に連載された記事に基づき、また同「サライ」の連載は「サライ ムック」(1996年、2002年、小学館刊)や『伝統食礼讃』(2006年、アスペクト刊)などの形でも刊行されているが、いずれも刊行後時間がたっており、今回改めて編纂したことに大きな意義があると評価した。