第10回 辻静雄食文化賞(2019年)

第10回辻静雄食文化賞選考委員会(敬称略)

委員長
石毛直道(国立民族学博物館名誉教授、文化人類学者)
委 員
鹿島茂(明治大学教授、フランス文学者)
湯山玲子(著述家、プロデューサー)
福岡伸一(青山学院大学教授、分子生物学者)
西山嘉樹(元文藝春秋編集者)
辻芳樹(辻調グループ代表 学校法人辻料理学館理事長 辻調理師専門学校校長)
八木尚子(辻調グループ 辻静雄料理教育研究所副所長)

第10回辻静雄食文化賞 小委員会(敬称略)

委 員
犬養裕美子(レストランジャーナリスト)
門上武司(「あまから手帖」編集顧問)
君島佐和子(「料理通信」編集主幹)
柴田泉(フードジャーナリスト)
戸田顕司(日経BP社 ビジネスメディア編集部長)
長沢美津子(朝日新聞編集委員)
西山嘉樹(元文藝春秋編集者)
山田健(サントリーホールディングス株式会社 CSR 推進部チーフスペシャリスト兼サントリーグローバルイノベーションセンター株式会社 水科学研究所主席研究員)
淀野晃一(「月刊専門料理」編集長)
山内秀文(辻調グループ 辻静雄料理教育研究所研究顧問)
八木尚子(辻調グループ 辻静雄料理教育研究所副所長)

対象期間

2018年1月~12月

第10回辻静雄食文化賞選考委員会

2019年4月26日(金)「TKP赤坂駅カンファレンスセンター」にて選考委員会を行いました。

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第10回辻静雄食文化賞・受賞作品

『給食の歴史』
藤原 辰史/著 岩波書店/刊 給食の歴史

作品紹介: 日本の学校給食について、先行する諸国の給食の歴史にも触れながら、戦前から現在に至るまでの 歴史を詳細にたどる。給食制度とその思想は、社会のあり方、政治の思惑や経済事情がからみあい、 明暗が交錯する舞台となっている。それを多角的な視点から検証し、給食が時代ごとに果たした役割 と課題を浮き彫りにして、今後の可能性を探る。

著者紹介 藤原 辰史(ふじはら たつし)
1976年、北海道旭川市生まれ、島根県横田町(現・奥出雲町)出身。1999年、京都大学総合人間学
部卒業。2002年、京都大学人間・環境学研究科中途退学、京都大学人文科学研究所助手、東京大
学農学生命科学研究科講師を経て、現在、京都大学人文科学研究所准教授。専門は農業史。

著書
2019 『分解の哲学』青土社
2019 『食べるとはどういうことか――世界の見方が変わる三つの質問』農文協
2018 『給食の歴史』岩波新書
2017 『戦争と農業』集英社インターナショナル新書
2017 『トラクターの世界史――人類の歴史を変えた「鉄の馬」』中公新書
2014 『食べること考えること』共和国
2012 『稲の大東亜共栄圏――帝国日本の<緑の革命>』吉川弘文館
2012 (2016=決定版、共和国)『ナチスのキッチン――「食べること」の環境史』水声社
2011 『カブラの冬――第一次世界大戦期ドイツの飢饉と民衆』人文書院
2005 (2012=新装版)『ナチス・ドイツの有機農業――「自然との共生」が生んだ「民族の絶滅」』柏書房
他、編著、共著、翻訳など多数。

受賞暦
日本ドイツ学会奨励賞『ナチス・ドイツの有機農業――「自然との共生」が生んだ「民族の絶滅」』(2005年)
河合隼雄学芸賞『ナチスのキッチン――「食べること」の環境史』(2013年)
第15回日本学術振興会賞「農業と食におけるナチ・エコロジズムの批判的考察」(2019年)

出典:『給食の歴史』(岩波書店)kyusyokupic

受賞理由
近代日本の食文化を考える上で極めて重要な学校給食に着目し、その歴史を緻密に分析した優れた研究である。一次資料にあたりながら、多様な視点から網羅的に論じており、今後の基礎文献となる点が高く評価できる。社会の格差が拡大する今、その可能性を再考しようという問題提起も貴重である。

第10回辻静雄食文化賞 専門技術者賞・受賞者

_DSC8672志村 剛生(しむら たけお)
「てんぷら 成生」(静岡県静岡市葵区鷹匠2-5-12 1F)主人

プロフィール
1975年神奈川県生まれ。
1997年、東京農業大学農学部卒業。オーストラリアに留学。
シドニーの日本料理でのアルバイトをきっかけに料理の道に入る。
帰国後、静岡県焼津の割烹料理店に6年間勤務。
うち、お座敷天ぷらのセクションを2年経験する。
2007年に31歳で静岡市に「てんぷら 成生」を開業。現在に至る。
2017年、第8回料理マスターズ ブロンズ賞受賞。
2017年、前田尚毅(㈱サスエ前田魚店5代目店主)と共にイタリア・ミラノの食の国際会議「イデンティタ・ゴローゼ」で日本食材と調理技術の魅力を伝える。
2019年、ゴ・エ・ミヨ「イノベーション賞」受賞。
2019年、食べログアワード「ベスト リージョナル レストラン」入選。

写真提供:柴田書店『月刊専門料理』2019年2月号よりshimura

受賞理由
天ぷらという伝統的ジャンルにおいて、その概念を一新し、料理としての新たな世界を切り開いた。食材を生かすべく、衣、油から加熱温度、時間まで徹底的に研究し、精密な技術で表現する天ぷらは、完成度が高く、個性的である。その果敢な挑戦の成果により、伝統的技術における革新の可能性を示した点を評価する。

第10回辻静雄食文化賞贈賞式

第10回辻静雄食文化賞の贈賞式が東京「八芳園 グレース」にて、2019年7月4日(木)に開催されました。

受賞作『給食の歴史』著者の藤原辰史氏、専門技術者賞受賞者の「てんぷら 成生」主人、志村剛生氏が式に臨まれました。藤原氏には、第7回辻静雄食文化賞を受賞された八木久美子氏から、志村氏には、昨年、同じく専門技術者賞を受賞された「HIDEMI SUGINO」の杉野英実氏から贈賞が行われました。

ceremony

第8回の専門技術者賞を受賞された「モリエール」中道博氏の御発声で乾杯が行われました。これまでの受賞者の皆様もご参列されて賑やかな顔ぶれが揃い、交流が行われました。

esposizione

会場には受賞作や受賞者のパネルが展示され、これまでの受賞作や受賞者、辻静雄の著作も紹介されました。