第11回辻静雄食文化賞選考委員会(敬称略)
- 委員長
- 石毛直道(国立民族学博物館名誉教授、文化人類学者)
- 委 員
- 鹿島茂(フランス文学者)
- 湯山玲子(著述家、プロデューサー)
- 福岡伸一(青山学院大学教授、分子生物学者)
- 西山嘉樹(元文藝春秋編集者)
- 辻芳樹(辻調グループ代表 学校法人辻料理学館理事長 辻調理師専門学校校長
- 八木尚子(辻調グループ 辻静雄料理教育研究所副所長)
第11回辻静雄食文化賞 小委員会(敬称略)
- 委 員
- 犬養裕美子(レストランジャーナリスト)
- 門上武司(「あまから手帖」編集顧問)
- 君島佐和子(「料理通信」編集主幹)
- 柴田泉(フードジャーナリスト)
- 戸田顕司(日経BP社 ビジネスメディア編集部長)
- 長沢美津子(朝日新聞編集委員)
- 西山嘉樹(元文藝春秋編集者)
- 山田健(サントリーホールディングス株式会社 CSR 推進部チーフスペシャリスト兼サントリーグローバルイノベーションセンター株式会社 水科学研究所主席研究員)
- 淀野晃一(「月刊専門料理」編集長)
- 山内秀文(辻調グループ 辻静雄料理教育研究所研究顧問)
- 八木尚子(辻調グループ 辻静雄料理教育研究所副所長)
対象期間
2019年1月~12月 ※人物や団体に関しては、直近5年間
第11回辻静雄食文化賞選考委員会
2020年5月22日(金)選考委員会をオンラインで行いました。
第11回辻静雄食文化賞
千葉県いすみ市 有機農業による地域の食文化の創成
活動紹介
千葉県の東南部に位置するいすみ市。行政と住民が協力して、生物多様性を軸とした環境保全の町づくりに取り組む。2013年に始めた有機米栽培は年々規模を拡大し、子どもへの安心安全な食の提供を目指して給食に導入。2018年、全国でも例のない全量有機米使用の給食を実現した。食農教育を行い、環境に配慮した農産物をブランド化するなど、持続可能な産地経営の実現と有機稲作による農村の環境再生を志し、将来の世代へと続く循環型社会形成の機運を醸成している。
- 受賞理由
- 地元の有機栽培米を学校給食に使うことによって、よりよい食をめざす活動が、生産者と消費者双方に無理のない形で持続的成果をあげている。地方自治体が主導して人々の意識をゆるやかに変え、社会的課題の解決を図りながら農業を振興し、地域の食文化を豊かなものにするモデル的取組みとして高く評価できる。
第11回辻静雄食文化賞 専門技術者賞・受賞者
小林 寛司(こばやし かんじ) 「villa aida(ヴィラ アイーダ)」オーナーシェフ
プロフィール
1973年 和歌山県岩出市生まれ。
辻調理師専門学校を卒業後、大阪のイタリア料理店に勤務して1994年に渡伊。当時ミシュラン三つ星のレストラン「ドン・アルフォンソ1890」、フィレンツェの名店「ラ・テンダ・ロッサ」や「デルフィーナ」をはじめイタリア各地のレストランで4年間修業し、1998年に帰国。
同年12月、地元岩出市に「リストランテ アイーダ」を開業。
2007年 客室を増築し、オーベルジュ「villa aida(ヴィラ アイーダ)」に。
2013年 農林水産省の「料理マスターズ」受賞。
2018年 20周年イベントMY WAY EXPO2019を開催。日本全国から80人以上の料理人や生産者が集った。
2019年 「Top 100 Best Vegetables Restaurants 2019」17位。
自ら土を耕して野菜を作り、農園レストランの可能性を提案しつつ、様々な土地を訪ね、人に接し、その
経験を料理に反映している。
著書
2019『villa aida 自然から発想する料理』(柴田書店)
- 受賞理由
- 地方を拠点に、畑で野菜栽培を行いながらレストランを経営し、季節とともに変わる畑を厨房と一体化させることによって、独自の料理を構築したことを高く評価する。芸術的感性で錬磨されたその表現世界は、食べる人に深い感動を与える。これからの時代に料理を志す人にとっての大きな指針となり、勇気と希望を与える存在といえる。
第11回辻静雄食文化賞贈賞式
第11回辻静雄食文化賞の贈賞式は社会情勢を鑑み、2020年8月4日(火)にオンラインで開催されました。
千葉県いすみ市 有機農業による地域の食文化の創成に携わる「自然と共生する里づくり連絡協議会」会長 上島浩一氏ほか、関係者の皆さま、専門技術者賞受賞者の「villa aida」オーナーシェフ、小林寛司氏が式に臨まれました。
また、贈賞式に続いて受賞関係者のみなさまへのインタビューが行われ、みなさまの活動にかける思いをお聞きしました。
インタビューの内容については下記ブログをご覧ください。
贈賞訪問
8月某日、千葉県いすみ市役所と和歌山県 villa aidaに賞状と副賞をお届けしました。